第9話「中小管理会社の相続ビジネス入門」

ren-9

第9話

 相続の相談に関する全体像を把握し始めた石川部長は「小宅(しょうたく)?」という言葉をよく聞くようになった。不動産オーナーも勉強しており、何やらこの「小宅」に該当すると相続税が安くなるらしいということを初めて知ることになった。そこで、相続専門税理士の大下先生に確認することにした。
 石川部長「大下先生、小宅ってそもそも何ですか」。大下先生「平たく言うと、主に自宅や事業を守るための制度です。つまり、自宅に多額の相続をかけてしまえば、相続税を払うために売却をしなくてはいけなくなりますよね。また、事業をやるに際してもそこに多額の相続税がかかると、事業を辞めて売却する必要も出てきます。国もそこまで鬼ではないので、自宅や事業を守るために、要件を満たした人に限って相続税を大幅に安くするという扱いにしているのです。でも、不動産賃貸業は不労所得的な側面が強いため、かなり厳しくしていますが。不動産オーナーはそういう意味では全ての不動産が安くなるわけではないのできついのも事実です」。
 石川部長「そういう趣旨で安くしてあげるのですね。納得です。自宅は優遇されているとのことでしたが、その考え方をもう少し具体的に教えてください」。大下税理士「先ほど 自宅は、そこに住むから安くしてあげる、と言いました。配偶者はその亡くなった方の財産形成に関する一番の功労者なので、住んでなくても要件を満たしてくれますが、配偶者以外であれば、そこに同居している長男などが該当します。仮に、配偶者のいない二次相続の場合で相続人が子どもだけの場合、子どもが別居している可能性があります。その場合、子どもがマンション・アパートの借家住まいであれば、いつか親の自宅に帰って<るかもしれないので要件を満たす可能性も出てきます。つまり、自宅に戻ってくる可能性のある人も救済してくれるのです」。石川部長「なるほど、考え方を聞いたら何だかスッキリしました。お客様にも考え方を話してみます」
 
 登場する人物、団体は全て架空です。(毎月第二週に掲載します。)

小宅は考え方を知るべき!

解説

相続税って難しく感じるのは、何でもかんでも覚えようとするからです。考え方の基本が分かれば非常に簡単です。また、賃貸不動産の敷地にも適用可能ですので、特に地価の高い地域の方は是非とも活用していただきたいです。