第8話「中小管理会社の相続ビジネス入門」

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第8話

 固定資産税の課税明細から、不動産ビジネスへの展開を考えた石川部長。切り口としては実務的でお客様目線にたったサービス展開となりそうだ。しかしながら、あまりにも専門的なので相続専門の税理士事務所として売り出し中の大下税理士へ土地評価の基本 的な考え方を教えてもらうことにした。
 大下税理士「相続税を計算する際に必要となる土地評価の知識は、『財産評価基本通達』がまず挙げられます。国税庁が定めた『相続税・贈与税』を計算する際に従うべき基準です。具体的な土地評価方法も規定されているので、まずはこの基準の考え方を知る必要があるかと思います。ここまでは何とな<理解できますか」。石川部長 「要は、この基準に従って評価をすればいいということで すよね」。
 大下税理士「基準に全てのケースを規定することは不可能ですので、考え方を学ぶ必要があると思います。考え方さえ学べば応用が利くようになりますから」。
 石川部長「分かりました。初心者が把握しておくべき考え方だけ教えてください」。
 大下税理士「土地評価に関しては、路線価× 地積で計算できます。しかし、まずは地積に最終的にかけ算する路線価には多くの調整が加えられます。路線価が高くなる『加算』規定、路線価が低くなる『減算』規定がありますが、そのほとんどが減算規定の話です。『加算』規定は、土地がどれだけの路線価に接しているかだけで、それ以外の規定はほとんどが『減算』規定といってもいい です。土地評価の腕の見せどころは、いかにして 『減算』項目を見つけるかです。この分野は不動 産に日頃から携わっている方が有利です。例えば、建築基準法や都市計画法の考え方を知っていれば、それがそのまま『減算』規定にあります」。
 石川部長「まずは『減算』規定の中にどのようなものがあるかを調べてみます」。
 大下税理士「不動産の専門家には有利に働きます。是非ともがんばってください」。
 方向性が見えた石川部長は邁進あるのみ。

 登場する人物、団体は全て架空です。(毎月第二週に掲載します。)

財産評価基本通達って?

解説

とにかく不動産は各種法令によって、さまざまな制限を受けています。土地は法令上の制限を受ければそれだけ利用価値が下がりますので、当然評価額が下がることになります。たったこれだけのことを定めているだけですが、一般の方にはその理解が難しいのです。