第7話「中小管理会社の相続ビジネス入門」

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第7話

 相続の勉強をすればするほど奥の深さを実感する資産承継部・石川部長。先般、アパート管理をしている不動産オーナーが突然事務所にやってきた。「所有する土地は相続税でいくらの評価になるのか教えてほしい。これがあれば計算できるだろ」と言いながら、固定資産税の課税明細を渡された。課税明細は毎年概ね4月頃には自宅に届くものであるが、一般の方は表鏡に書かれた4回分の固定資産税の支払いにしか興味がない。しかしながら、ここに書かれている情報は不動産を扱う人間にとってみれば情報の宝庫である。つまり、その市町村にある土地建物の一覧であるため、全体財産の把握には非常に役立つのだ。これをもとに相続税を計算し「納税資金が不足していないか」「土地活用を考えられないか」など、不動産ビジネスに取り組むことも考えられる。また、相続が実際に発生した際、こちらが主導権を握ることができれば、オーナーチェンジのタイミングで管理業務を外される可能性も少なくなるはずだ。課税明細を取得することを一つの目標に動いてみるのもいいかもしれない。
 しかし、課税明細で地積は分かるが、路線価はどこを調べればいいのか。国税庁のホームページにアクセスすると、平成22年分〜平成28年分の路線価を調べられることが分かった。所轄の税務署に行けば路線価図が据え置かれているのでそこでも調べられるが、圧倒的に国税庁のホームページが使いやすい。さらに調べていくと、路線価は1月1日時点の評価を毎年7月1日に公表するものらしい。上半期はその年の路線価を知ることはできない。
 これを不動産ビジネスの観点から捉えると、毎年4月頃と7月頃が不動産ビジネスの入口といえそうだ。つまり、4月頃に届<課税明細で「財産の全体像を把握する必要性」を知らせ、毎年7月に入ってから「路線価の置き換えで毎年のメンテナンスをする」ということだ。たったこれだけでも、オーナーは喜ぶのではないだろうか。さらに、「保有する土地」「活用する土地」「売却する土地」に色分けをすると良いだろう。管理業務というお客様窓口だからこそ、できることも多くある。管理業務以外でも役に立つことは積極的にしていくべきだと 最近はよく考えられるようになった。

登場する人物、団体は全て架空です。 (毎月第二週に掲載します。)

課税明細の入手がビジネスに繋がる!

解説

課税明細には、保有する不動産情報が詳細に記載されています。異なる市町村に不動産を保有している場合には、その市町村からの課税明細も入手する必要があります。分析ができればお客様は本当に喜んでくれます。素人にはわからないことだらけです。