第12話「中小管理会社の相続ビジネス入門」

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第12話

 相続に関する多くの相談を受けてきた石川部長。その中でもとりわけ多い質問は「確定申告」だ。多くのオーナーに取って悩みなのが、必要経費が限られていること。毎年同じ項目(固定資産税、減価償却費、火災保険料、支払利息、税理士報酬など)に限られ、家賃や地代を獲得するための見合いのものしか認められない。つまり、プライベートなど、収益獲得に関係しないもの(マイホームの固定資産税、マイカーの減価償却費、家計費など)は当然のように認められない。では、会議費や交際費は認められないのか?ふと疑問に思い、大下税理士へ確認した。大下税理士「打ち合せ相手が問題になります。例えば、大規模修繕の打ち合せを管理会社や業者とカフェで打合せをして全額支出すれば認められると思います。ただし、後々の税務調査に備えて、打ち合せ記録簿を取るなどエビデンスを残しておく必要があります。グレーな部分が多くなるのは必要経費に何をどこまで入れるのかという部分になりますので、慎重な判断が必要です」。確かに、自ら大家業を営んでいれば、マイカーで管理物件へ行っていれば、その減価償却費だって一部を経費に入れることができるだろう。家賃収入は空室がなければ一定だから、あとは必要経費を多く入れること以外に節税はできないことになる。何か節税の方法はないのか大下税理士に確認した。大下税理士「既にお気付きのように不動産賃貸業は必要経費が制限されているのが現状です。その中で5棟10室と呼ばれる一定規模の賃貸業を営んでいる方は、青色申告65万円の選択、小規模企業共済(最大7万円/月)の加入で経費増加が見込めます」できることを地道にやるしかなさそうだ。

登場する人物、団体は全て架空です。(毎月第二週に掲載します。)

不動産業の必要経費は限られている

解説

個人で不動産賃貸業を営む場合、必要経費は制限されているのが現状です。その中でどれだけ経費を積み上げていくかを地道に考える必要があります。第11話で取り上げたように不動産法人化(7月10日18面掲載)で経費算入の枠を広げる手も検討の余地ありです。