第1話「中小管理会社の相続ビジネス入門」

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第1話

「このほど父の健康問題もあり、長男の私が賃貸経営を引き継ぐことになりました。つきましては、管理を別の会社に・・・」
・・・まただ。最近、こんな電話が増えている。
 私は、実の父親で現社長が創業した石川不動産で主にアパート・マンションの管理業務を担っている。
管理戸数は最盛期で約2000戸あったが、競合社にシェアを奪われ、現在では約1000戸に落ち込んでしまった。そんな石川不動産の社員数はパートを含めて10名で2代目である私(管理部課長)は部下2名を抱えているが、管理戸数の減少で厳しい立場だ。競合他社との競争激化もあるが、一番の原因は家主のオーナーチェンジ、特に相続を起因に、管理契約を解除されているのが現状である。
 今回、父である社長命令により、資産承継部を新設し、お客様満足度を上げ管理戸数の維持、上昇へと繋げることが決まった。もともと、うちには顧問税理士がいるが、依頼する仕事の大半は石川不動産自体の(1)帳面付け(2)試算表作成(3)資金繰りといった自らの会社経営に関するサポートになっている。たまに、お客様から相談される不動産を譲渡した際の税金関係を確認するが、先生からもらう回答からは「あまり資産税(譲渡・相続)に強くないのであろう」というのが伺えて、少し不安に感じている。
 平成27年1月1日から相続税法が改正され、家主のほとんどが増税の影響を受けていることは会社の中でも感じているが、こちらから積極的に家主に対して何あのアクションを起こしている訳ではないのが現状である。このままではお客様満足度が上がらず、「かなりマズい」というのが薄々感じているが「何を」「どのように」アプローチしたらいいのか分からないのである。
 不動産管理会社はこのままではマズい。そんな事を毎日のように不安に感じているのが「二代目」の偽らざる気持ちだ。
 親父の時は高度成長期で、やればやっただけ成績が伸びたが、今の時代、何をやるかを明確にしなければ、どこにも進めはしない。
 自分は相続によるオーナーチェンジが起こる前に積極的に攻めていこうと決めた!

相続対応力が管理を守る

解説

賃貸管理会社にとって、入居者の募集や日常管理と並んで相続対応が重要になっています。ある会社では、1年間で管理を受任しているオーナーの4%で相続が発生しているそうです。引き継いだオーナーが管理を続けて任せてくれる可能性は、どれほどでしょうか?
M&Aも増えてきて、管理受託競争は激しくなるばかりですが攻めの前にまずは守りをしっかり固める必要もありそうです。